機内食やドリンクの提供、機内販売などの機内サービスから保安管理まで、快適で安全な空の旅をサポートするCA(キャビンアテンダント)。
昔はスチュワーデスと呼ばれ女性がほとんどでしたが、近年は男性スタッフも増え「客室乗務員」「CA」と呼称される、航空業界の華です。
ANAやJAL以外に、国外航空会社やLCCに勤める方も多く、世界の空で活躍するCAは華やかで優雅なイメージをもたれます。
CAは語学力や広い視野、柔軟な対応力、迅速な判断力など様々なスキルを要する繊細な仕事です。
また、12時間の乗務や深夜・早朝勤務などをこなすハードな面もあります。
そんなCAを辞めて別の業界・業種に転職するには、どうしたらいいのでしょうか。
元CA5人の体験談・口コミを紹介しながら、転職を成功させる方法・コツを解説していきます。
CAの転職理由は「体力的につらい」「人間関係」
CAを辞めるのはどんな理由なのか、辞めたいと思ったきっかけはどんなものなのか、5人の転職理由を調べてみました。(複数回答)
1位 | 体力的につらい | 5人 |
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2位 | 人間関係 | 3人 |
CAは毎月発表のシフト制が基本で、早朝深夜の勤務や外泊を含む勤務もあります。
フライト先によっては時差や寒暖の差がありますし、長時間フライトをこなしたりショートフライトを何往復もしたりと、心身ともに負荷が大きいです。
そのため、生理不順や不眠症など健康を損ねてしまう方も少なくありません。
CAに憧れて就業した方がほとんどなので若いうちこそは頑張れるのですが、年齢を重ねるごとに体力的に無理が生じます。
「一生続けていけるか」と考えると不安を感じてしまうのは当然でしょう。
月の半分は自宅に帰れないので、家庭を持った場合、転勤や単身赴任を繰り返すような状態で家族との時間を確保するのが難しいという面もありますね。
「将来を考えると若いうちに転職して他のスキルを身につけたい」ということで、20代~30代前半での転職が目立ちます。
CAは女性が多く、所作や身だしなみなど細かな規定、上下関係も厳しい業界です。
チームで動くので円滑な人間関係を築く必要がありますが、特殊な業態ということもあり、少々偏った人間関係や価値観が構築されやすいのはデメリットです。
そうした人間関係をわずらわしく思ったり、自分に合わないと感じる方も少なくありません。
CAの業態や同僚・先輩の関係といったものを変えるのは難しいので、無理に続けるよりは転職して環境を変えるのが賢い選択ですね。
憧れを抱き、厳しい訓練を乗り越えてCAになったこともあって、「業務自体が向いていない」という理由で辞めた方はいませんでした。
CAを辞めた人の転職先は?未経験の他業種でも活躍できるポテンシャル
CAは、お客様に合わせた対応をし、安全かつ快適に過ごしてもらうのが主な職務です。
多言語・多人種とのコミュニケーション、接客、安全確認といった様々な業務を、限られた人員とスペースでこなさなければなりません。
そのため、臨機応変な対応力、細かな点に気付ける繊細さ、的確な判断力といった複合的なスキルが求められます。
そうした経験から、CAの転職では「経験値の高さとコミュニケーション力」が大きな武器となるでしょう。
では、元CAたちはどのように転職を成功させたのでしょうか。
CAを辞めた後、次に選んだ転職先についてまとめました。
異業種の転職成功例
今回の調査では、5人全員が航空業界ではなく異業種へ転職しました。
未経験の業種でも「チャレンジする意欲がある人を育てたい」と考える企業は少なくありません。
CAは、厳しい訓練を経て多くのスキルを培って就業しているので、その経験から「新しいことを学ぶ土台」があると言え、未経験からも成長できるとPRしやすいです。
また、幅広い年齢や人種のお客様に対応し、様々なシチュエーションに対応してきた高いコミュニケーション力は、初めての職場でもスムーズなやり取りと指導を受けられるヒントになるでしょう。
経験を活かせる業種への転職成功例
CAとは全く違う他の業界でも、語学力や接客経験などCAで培ったスキルが役に立つ場面は多数あります。
外資系など、日常的に英語を使うような企業も狙い目です。
丁寧な言葉遣いや仕草、柔軟な対応力なども、どんな職場でも重宝がられることでしょう。
ほかには
- 総合ビルの受付
- テレビ局宣伝部
- 大学事務
に転職した人がいました。派遣社員や契約社員ではなく、全員が正社員として採用されています。
体力的に負担が大きいCAからの転職では、勤務時間が安定しやすい事務職などデスクワークが人気でした。
未経験の職種では、人材育成の観点から若い方が有利。セカンドキャリアを築くなら、なるべく早くCAを辞めて転職するのがおすすめですね。
CAからの転職で年収はどう変わる?
CAはハードな分、平均年収は高めです。転職で給料がどのように変化するのかは気になるところですね。
年収アップ | 1人 |
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ほぼ変わらず | 2人 |
年収ダウン | 2人 |
過半数の方が、年収アップまたは維持している結果となりました。
CA時代の年収が高めだった方は、ダウンしてしまっています。
ただ、残業がない・体力的な負担が少ないなど労働環境は良くなっているので、給料以外の条件とのバランスが重要と言えるでしょう。
近年はLCCの増加や価格競争から、CAと一口に言っても航空会社ごとに給与額に差が出てきていますから、元の給料によっては転職で給料が増える場合もあります。
現に今回の調査でも、年収が上がった方は約100万円と大幅にアップしていました。
CAを辞めてよかったところは「体が楽」や「世界が広がった」
転職サイトや転職エージェントを使って別の仕事に転職した人が、実際によかったと感じているポイントをまとめました。
体が楽
他業種では、多くの場合毎日同じ職場に出社し、自宅に帰ります。
今回は残業が少ない職場を選んだ方が多かったので、CA時代より身体的な負担がかなり軽くなったという意見が多かったです。
休みが一定になり、家族と休みをあわせたり予定を立てたりしやすく、プライベートが充実したという方もいます。
仕事は大切ですが、同じくらいに自分の健康やプライベートも大切です。
公私のバランスがとれると暮らしの充実度も上がり、より仕事のモチベーションが上がるという好循環が起きますね。
世界が広がった
広い世界を飛び回るCAですが、特殊な業界ゆえに人脈や価値観が狭くなりがちです。
新しい職に就くことで、今までとは違った考え方っや人々に触れたり新しいスキルを身に付けたりと、自分の世界が広がり成長を感じられるというのは嬉しいですね。
迷う気持ちを正直に見つめて、転職のタイミングを逃さないで!
CAは、この道に憧れて就業した方がほとんど。
試験を受けて採用され、厳しい訓練をつんで就業したのですから、本当に転職するか迷う・悩んでいる方も多いことでしょう。
また「一般的な就職活動はしていないから転職活動でどうしていいかわからない」ということもありますよね。
そんな方は、5年後、10年後の自分を想像してみてください。
そして理想の5年後、10年後も思い描き、今の生活を続けていてその理想に近づいていけるか?を考えてみましょう。
どうですか?少しでも不安や違和感があるなら、今が動くタイミングかもしれません。
転職しようか迷っているうちに年齢が上がって、チャンスは遠のいてしまいます。
特に未経験の業種への転職は若いほど好条件で転職しやすいので、悩むよりまずは行動してみるのがおすすめです。